名古屋大学SATREPS

テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト

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プロジェクトの概要

研究内容

ケニアの稲作の安定化と生産性向上に役立つ形質を備えたイネ品種を開発するため、現地の栽培条件下で耐旱性、耐冷性、耐塩性、低肥沃土壌適応性、いもち病抵抗性などを評価・選抜するための品種評価システムを開発するとともにケニアの育種基盤を整備します。また、ケニアの品種やネリカを含む既存品種の農業形質を評価し、育種素材としての有用性を検証するとともに、有用形質に関連するQTLの検出を試みます。その上で、DNAマーカー選抜、全ゲノムSNP情報を利用した全ゲノム選抜、遺伝子再編などの分子育種技術を駆使し、現地のイネ品種をベースに有用遺伝子/QTLを導入した中間母本の開発を進めます。また、有用遺伝子/QTLを導入した育種素材系統群等を用いて、遺伝子型(G)×栽培環境(E)×栽培管理(M)の相互作用を解析し、有用遺伝子/QTLが有効に機能するための条件を明らかにします。これらの実験結果に基づき、品種の能力を十分に発現させる栽培技術を開発します。また、ケニア最大の稲作地帯であるムエア灌漑地区において、水条件や土壌条件などの栽培環境と栽培管理の実態を解明し、そこから抽出された課題を改善するための栽培技術を開発します。さらに開発した栽培技術の有効性を農家圃場において実証します。

研究アプローチ
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① ケニアにおけるイネ育種および品種評価システムの開発

ケニアで交雑育種を行うための基盤を整備するとともに、ケニア向けイネ品種にとって重要な耐旱性、耐冷性、耐塩性、低肥沃土壌適応性、いもち病抵抗性などに強いイネ品種を現地で評価・選抜するために必要な評価圃場、基準品種、評価基準などを整備します。

② 存品種の特性評価と有用農業形質の特定

①の品種評価システムを用いて、ケニアの既存品種および名古屋大学が保有する世界の有用遺伝資源の特性評価を行います。その上で、有用形質に関連するQTLの検出を試み、育種素材としての有用性を検証します。

③ 有用遺伝子/QTLを導入したケニア向け育種素材の開発

DNAマーカー選抜、全ゲノムSNP情報を利用した全ゲノム選抜、遺伝子再編などの分子育種技術を駆使し、現地のイネ品種をベースにテーラーメードで有用遺伝子/QTLを導入した系統群を作出し、ケニア向け品種の中間母本を開発します。

④ 栽培環境、栽培技術、生育状況の実態解明と技術改善の検討

ケニア最大の稲作地帯であるムエア灌漑地区において現地調査を行い、水条件や土壌条件などの栽培環境と栽培管理の実態を明らかにします。その上で、栽培環境の異なる調査圃場を設定し、栽培と収量に関わる諸条件の定点観測を行い、栽培技術上の課題を抽出します。さらに、課題を解決するため対応方策を開発し、その有効性を農家圃場において実証します。

⑤ 遺伝子型(G)×栽培環境(E)×栽培管理(M)の相互作用の解析

既存品種および有用遺伝子/QTLを導入した系統群を用いた栽培実験により、栽培環境要因や栽培管理要因が有用遺伝子/QTLの機能発現に及ぼす影響を解析し、有用遺伝子/QTLが有効に機能するための条件を明らかにします。その結果をふまえて品種の能力を十分に発現させる栽培技術を開発します。

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