名古屋大学SATREPS

テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト

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ケニアSATREPS稲作研究プロジェクトの進捗状況について

2015/12/08

本プロジェクトでは、ケニアの稲作安定化に向けた品種改良と栽培技術開発のための研究を現地で行うため、ケニア農畜産業研究機構ムエア支所の研究環境を整備し、研究技術のケニアへの移転と研究人材の育成を進めています。これまでの現地調査および栽培試験からは、ムエア灌漑地区では耐冷性が必須の形質であること、土壌へのCaやMgの集積によるK不足の問題があること、不十分な灌漑水を有効に使い生産性を向上するための節水栽培技術の確立が重要であること、同地区の潜在生産力は極めて高く、適切な水および肥培管理により、品種によっては10 t ha-1以上の高収量を実現できることなどが分かってきました。さらに、現地のいもち病菌レースの病原性や土壌環境に応じた耐旱性関連根系形質とその能力発現に必要な施肥レベルなどについても解明が進んでいます。また、耐旱性、耐冷性、耐塩性、低肥沃土壌適応性、いもち病抵抗性、高収量性などに関わる量的形質遺伝子座(QTL: quantitative trait locus)を交配とDNAマーカー選抜などの技術を使って導入したケニア向けの育種材料の育成も概ね計画通りに進んでいます。今後は、これまでに整備したストレス耐性評価圃場を活用し、有望系統の選抜を進めるとともに、遺伝子型×栽培環境×栽培管理の相互作用の解析を通して、品種のストレス耐性や生産性に関する能力を十分に発揮させるための栽培技術の開発に取り組む予定です。

【ケニア農畜産業研究機構ムエア支所キロゴ農場における収穫作業の様子】