名古屋大学SATREPS

テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト

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ケニア国ナイロビにおいてSATREPS国際シンポジウムを開催しました。(2016年12月6日・7日)

2016/12/27

農学国際教育協力研究センター(ICCAE)は、ケニア農畜産業研究機構(KALRO)との国際共同研究として、地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)による「テーラーメード育種と栽培技術開発のための稲作研究プロジェクト」を実施しています。本プロジェクトの取り組みについて広く発信し、研究成果の周辺国への展開に必要な国際的なネットワークの構築について協議することを目的として、2016年12月6日、ケニアの首都ナイロビにあるケニア農畜産業研究機構本部会議場において、KALRO、科学技術振興機構(JST)、国際協力機構(JICA)、アフリカ稲作開発のための共同体(CARD)との共催によるSATREPS国際シンポジウム「Tailor-made rice breeding and cultivation technology development for sub-Saharan Africa -Progress and future prospects of the SATREPS project in Kenya-」を開催しました。シンポジウムには、日本とケニアを含む14カ国から、研究者、技術者および国際協力関係者を含む合計105名が参加し、基調講演、口頭発表(12件)、ポスター発表(19件)およびパネルディスカッションが行われました。

シンポジウムの冒頭、国際稲研究所(IRRI)のアブデル・イスマイル主席研究員による基調講演が行われ、IRRIがアフリカの稲作において問題となっている様々な生物的・非生物的ストレスを克服するために行っている様々な取り組みが紹介され、品種改良の重要性が指摘されました。続いて、国際共同研究プロジェクトに参画している日本とケニアの研究者7名により、本プロジェクトがこれまでに進めてきたアフリカ向けイネ品種の開発に必要なスクリーニングシステムと交配設備の整備、様々な環境ストレス耐性や生産性を向上させる遺伝子/QTLを導入したアフリカ向け有望系統の作出、品種の能力を引き出す栽培方法の開発、共同研究を通した人材育成などについて報告が行われました。また、國分牧衛JST研究主幹は、アジア、アフリカおよび南米で行われている稲作関連のSATREPSプロジェクトの概要とこれまでの成果について報告し、アフリカ稲センターの二口浩一プログラムリーダーは同センターがアフリカの国々との連携により実施している品種改良と栽培技術開発に関する取り組みを紹介しました。さらに、タンザニア国立チョリマ農業科学研究所のソフィア・カシェンゲ主席研究員は、タンザニアにおけるイネ研究と品種開発の現状に関する報告を行いました。JICAのアフリカにおける稲作技術協力プロジェクトの活動内容と成果については、ウガンダの国立農業研究機構作物資源研究所(ナムロンゲ農業試験場)で実施されている「コメ振興プロジェクト(PRiDeプロジェクト)」の事例をジミー・ラモ主席研究員が報告し、ケニアの「稲作を中心とした市場志向農業振興プロジェクト(RiceMAPP)」については田澤裕之JICAチーフアドバイザーが説明を行いました。

パネルディスカッションにおいては、サブサハラアフリカにおける地域共通の重要課題であるアフリカ向けイネ品種と品種の能力を引き出す栽培方法の開発・普及に向けた国際的な協力体制の構築について活発な意見交換が行われました。その結果、本プロジェクトで整備したイネ品種の特性評価とイネの交配を大量に行うための施設・設備を活用し、国際農業研究機関との連携による国際協働ネットワークを構築することにより、KALROムエア支所をアフリカにおけるイネ育種および栽培技術開発の拠点として機能させることが提案されました。

シンポジウムの翌日、12月7日には、ムエア灌漑地区およびKALROムエア支所へのフィールドトリップが行われ、参加者は、ムエアに広がる広大な水田とプロジェクトの研究活動実施状況を視察しました。

平成28年8月にケニアにおいて開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)における合意を踏まえ、日本はアフリカ稲作支援を継続することが期待されています。今後、アフリカのイネ育種および栽培技術開発のための国際協働ネットワークを具現化するための活動を開始する予定です。(槇原大悟)

 

【ポスターセッションの様子】